漢方コラム
こころと漢方
「なんとなく気分が晴れない」
「イライラすることが増えた」
「以前なら気にならなかったことが、気になってしまう」
こころの調子がいつもと違うとき、私たちはつい、「こころの問題」と考えがちです。
けれど、漢方では、こころに現れていることだけを切り取って見るのではなく、その人の身体全体の様子を見ながら考えていきます。
たとえば、
冷えはないか
疲れやすくないか
お腹の調子はどうか
眠れているか
身体の中に水分が偏っていないか
血のめぐりはどうだろうか…
また、同じ「イライラする」という言葉でも、その背景にある身体の状態は、人によって違います。
漢方の古い書物を読んでいると、
今から何百年も前の人たちが、身体の変化とこころの変化を別々のものとしてではなく、ひと続きのものとして捉えていたことに気づかされます。
「こころがつらいから、こころだけを見る」のではなく、
「その人の身体では、いったい何が起きているのだろう」と考えてみる。
漢方では、そんな見方をすることがあります。
今回は、そんな「こころと漢方」のお話です。
不安・動悸を、身体の様子と一緒に
不安になったり、動悸がしたり、眠りが浅くなったりするとき。
そんなときも、こころの問題だけとは限りません。
疲れて身体が弱っていたり、冷えがあったり、胃腸が弱っていたりすると、それに伴ってこころが落ち着かなくなることがあります。
イライラをひとくくりにしない
「イライラする」という同じ言葉でも、その背景は同じとは限りません。
身体に熱がこもっているような場合もあれば、冷えや疲れがあって、気血のめぐりが悪くなっている場合もあります。
月経や更年期など、女性の身体の変化とともに、こころの揺らぎが現れることもあります。
のどに何かつかえる感じ
緊張したときや、気持ちがふさいでいるときに、のどに何かつかえているように感じることがあります。
検査をしても特に異常がないのに、なんとなくのどが気になる。
漢方では、こうした身体の感覚も、こころと身体のつながりの中で考えることがあります。
冷えとつながっているかも
冷えとこころの状態も、無関係ではありません。
手足が冷える、腰から下が冷える、胃腸が冷えている……。
そんな身体の状態を整えていくことで、結果として不安感や落ち着かなさが和らいでいくこともあります。
漢方では「イライラするから、この漢方」「不安だから、この漢方」というふうに、症状だけで考えるわけではありません。
その方がどんな身体の状態にあるのか。
冷えているのか、疲れているのか、血のめぐりはどうか、胃腸の調子はどうか。
そして、その背景には何があるのか。
そうしたことを一つひとつ伺いながら、その方に合う方法を考えていきます。
こころのことだからといって、こころだけをみるわけではないのですね。
なんだか、気が晴れない、すっきりしない、と思ったら
お身体全体のアンバランスさがあるかもしれませんね。
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【この記事の著者】若草漢方薬局 店主 吉田淳子