漢方コラム
2026年の運気 その2 ~六気を中心に~
さて、2026年はどのような年になるのでしょうか。
運気の基本
その昔の賢人は、天や自然をよく観察して、その規則性を見出しました。
人は、天地の影響を受けているので、天地の巡りの規則性や人に対する影響を知ることで健康維持に役立てることができます。
ここで、「運気」というと、「ラッキー」かどうか、という意味と思われる方もいるかもしれませんが、ここでいう「運気」とは、天地の気の運行のことです。
天地の運行は、「五運」と「六気」というものの組み合わせから求められます。
五運
「五運」は、「木・火・土・金・水」が、それぞれ一年ごとに地を順々に支配してめぐり、巡り終えるとはじめにかえり、際限なくこの循環をくりかえします。
地の五運は五年で一周します。

また、五運では、一年ごとに「太過」と「不及」が交互にやってきます。
例えば「木運の太過」→「火運の不及」→「土運の太過」→「金運不及」→「水運太過」といった具合です。
今年の五運は「水運太過」
今年は「水運太過」という年です。

水が強い(太過)ので火が剋されるという関係性です。
「木・火・土・金・水」は、五臓では「肝・心・脾・肺・腎」に配当されています。

つまり、水運太過の年は、自然界では火気がおかされ、人体では心臓が病邪を受けます。
また、寒気が万物の化育に影響し、ものをしまい込む作用が強く働き、万物を伸ばす働きが弱められるともいわれます。
そのような状況で、年の後半では、「水」の働きの強さゆえ、「火」の子にあたる「土」が「水」を剋すようになります。「土」気が天地の間に充ちて、ときに豪雨をもたらすこともあります。
この邪気で人は腎の機能が損なわれやすくなります。
したがって、五運からは、今年は心臓病、胸の痛み、胸苦しさ、動悸、腎の病、腎炎、腎臓結石などに要注意なことが読み解かれます。
六気
天の気は「六気」あり、六年で一周します。
天の気は、上と下があり、上は司天(してん)、下は在泉(ざいせん)といいます。
「六気」とは、厥陰・少陰・太陰・少陽・陽明・太陽のことで、これらが、司天と在泉(天と地)として一定のペアとなって一年ごとに巡ります。
天の六気は、厥陰→少陰→太陰→少陽→陽明→太陽の順にめぐります。
ここで、
厥陰は「風」
少陰は「熱」
太陰は「湿」
少陽は「火」
陽明は「燥」
太陽は「寒」
を意味します。
そして、人は天と地の間にいて、「五運」と「六気」のめぐりの影響を受けている、と考えます。
つまり、地では、木→火→土→金→水の順で一年ごとに、それも太過と不及が一年ごとに交互にめぐり
そして、天は、上述のように厥陰→少陰→太陰→少陽→陽明→太陽の順に一年ごとにめぐり、
天と地の間にいる人は、これらの影響をうけている、というわけです。
この「五運」と「六気」を組み合わせると、30通りとなります。
六気は、一年を六つにわけて特徴が説明されます。その起点は、大寒です。
初の気:大寒(1月21日頃)~春分(3月21日頃)
二の気:春分(3月21日頃)~小満(5月22日頃)
三の気:小満(5月22日頃)~大暑(7月23日頃)
四の気:大暑(7月23日頃)~秋分(9月24日頃)
五の気:秋分(9月24日頃)~小雪(11月23日頃)
終の気:小雪(11月23日頃)~大寒(1月21日頃)
毎年、春夏秋冬は、だいたい決まった気候、例えば冬は寒くて、春は温暖、夏は暑くて、秋は涼しくなってくる、ということは感覚的に実感していると思います。
主気と客気
ここでは、一の気から終の気まで毎年決まっためぐりを「主気」。その年により変わる天の運行を「客気」といいます。
主気と客気で表される「六気」と、地の運行の「五運」を勘案して、その年の気候が予測されます。
今年は「少陰司天 土運太過 陽明在泉」という組み合わせの年です。
この年は、少陰の熱気が降りてきて寒さと暑さが交わり、肺氣がおかされ、喘咳、嘔吐、鼻づまり、鼻血などの症状をおこしやすくなります。天の熱気が強くなると、皮膚病にもかかりやすくなります。
熱が身体の上部に、冷えが身体の下部に生じ、寒熱が身体の中で争うため、咳喘、血が耳目口鼻や下の二陰から漏れ出る、鼻がつまる、くしゃみが出る、目が充血する、手足が冷え、冷えが胃に入る、心が痛む、腰が痛む、咽喉が大いに燥、上部が腫れるなどが起きやすくなる、とのことです。
長くなってしまいました。一年を六つにわけたそれぞれの特徴はまた今度。
最後までお読みいただきましてありがとうございました!

(参考:「運気 新釈」小曽戸丈夫著 たにぐち書店
「和訓 黄帝内経素問」小寺敏子著 東洋医学研究会)