漢方コラム
季節の植物「紫蘇」~梅の本漬けも~
紫蘇(蘇葉)について
香りの生薬の一つに紫蘇(シソ)(紫蘇葉シソヨウ・蘇葉ソヨウ)があります。
蘇葉は、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)や香蘇散(こうそさん)に含まれています。
これらは紫蘇の香りが特徴的な処方です。
当店では国産の蘇葉を仕入れておりますが、しばらくメーカー(問屋さん)欠品をしておりご迷惑をおかけしております。
しばしお待ちくださいませ。
梅干し作り
それにしても毎日暑いですね~
そんな中、今年も梅を漬けました~☺
昨年は自宅マンションの大規模修繕で黒い網に囲まれており💦できなかったので2年ぶり。
完熟梅がでまわる頃になると、いよいよだなぁ~と思います。
梅の香りってよいですよね~。
下漬け
私は、できるだけ完熟に近い南高梅を和歌山の農家さんから送ってもらっています。
送られてきた段ボールを開ける瞬間、完熟梅の良い香りがします。
梅の具合を見て、まず水に少し浸してあく抜きをします。
水気を切って、いよいよ下漬け開始。
へたを竹串でとり、ペーパータオルで水気をしっかり拭き取りながら、焼酎(35%で殺菌)をまぶして
さらに塩をまぶしてカメに入れていきます(塩の量を予め計量しておく。私は18%位)。
梅の重さの倍くらいの重しをして、カメ全体を新聞紙でくるんで下漬け完了!
そうすると2~3日で梅酢が上がってきます。
ちゃ~んと梅酢が上がってきているか、カビがでていないか毎日カメの中をチェック!
(昔、母が一度生やしてしまって大変そうだったのでここは念入りに☺)
毎日蓋を開けてチェックするときも、とてもよい梅酢の香りがして癒されます。
しっかり梅酢があかってきたら、紫蘇による本漬けをします。
本漬け
紫蘇は表も裏も紫色で、ゴワゴワしていなくて柔らかいものが良品です✨
紫蘇を洗って一枚ずつ葉をむしる



漢方での紫蘇
紫蘇は、漢方薬の構成生薬にもなり、「氣」を巡らす働きが利用されています。
この鬱陶しい時期に紫蘇の葉が恵みとして地上にもたらされ、梅に漬けるという先人の知恵ってなんて素晴らしいのでしょう!
そうそう、紫蘇の葉は、カニの毒を消す働きもありますので、カニのアレルギーの時にも利用できます。
シソ 2008.06.05 東北大学大学院にて
そういえば以前植物園で説明を受けたとき、紫蘇は交配しやすいので、表も裏も紫色にしておくのは大変と聞きました。
今回もあるところで試しに少しだけ買った紫蘇は、ビニールの外からは綺麗な紫かと思ったら、裏が緑色でした💦
両面がキレイな紫色の紫蘇を見つけると嬉しくなります。
おわりに
毎年この時期になると、お客様と梅干し作りの話に花が咲きます。
漢方薬に配合される蘇葉と、食品としていただく紫蘇、繋がっていますね。
まだ完熟梅も紫蘇も売っているのを見かけます。
是非自然の恵みを享受しませんか?
今回も最後までお読みいただきましてありがとうございました❣
TEL: 03-6206-9930