日常コラム
その時そのときを大切に
今朝、ラジオを聴いていたら、養老孟子さんのお話しが耳に入ってきました。
声がかすれていらっしゃいました。
昨年肺がんが見つかり、一年後に再び反対側の肺にもがんが見つかり治療をしていたとのことでした。
お話しの中で印象に残っていること
……
今まで、時間は永遠に続くように思っていたけれど、限りがあると実感した。
残りの時間からすると今の時間は何分の一。
先に限りがあると実感してからは、今まで当たり前だと思っていたことが当たり前ではないと感じている。
質問されて困るのが「以前とどこが変わったか?」ということ。
以前のことは勿論覚えているのだけど、その時の感覚は今とは違うから答えられない。
たとえて言うなら、恋愛で、あの時どうしてそうしたか、といわれても
今とはその時の感覚は違うから答えられない…というようなことだと。
そして、感覚のことは言葉にうまく表現できないのだと。
……
おおまかにそのような内容だったかと思います。
漢方での感覚
感覚は感じてみないと得られないことですし、その微妙な感覚を表現するのは難しい。
私はこのお話を聞いていて、漢方とも似ているな…と思いました。我田引水ですけれど。
その感覚を表現するのが難しいということは、日頃「陰と陽」について思う時に感じています。
漢方では「陰と陽」の考え方を最初に習います。
「春夏」が陽なら、「秋冬」は陰
「昼」が陽なら「夜」は陰
「寒」が陰なら「温」は陽…。
以前は、そんな当たり前な~
「それが何??」
と思っていました。
最近、その陰陽についてのキモは、
「血」や「津液」が陰なら「氣」は陽だということかと。
そして体の「表面」が陽なら「内側」は陰
体の「上部」が陽なら「下部」が陰
環境的因子によっても身体の乱れが生じるし、それを陰陽で捉え
治療する漢方薬や各生薬の働きを陰陽で捉えることもある……
知見に加えて、感覚で得たものも判断や治療に役立てる。
だから、漢方の治療って、知識だけではなく感覚を養うことも大切で、そういう感覚って現代の電子的な?中にいると鈍くなるように思います。
なので、お悩みの症状と、漢方薬のパッケージの効能書きが合っているように思われても、実際の陰陽虚実がずれていると治らない、そのために原書で学び、実際の生薬や原植物にふれることは大切なことなのだと思います。
命の終わりに向かう明日さえ輝いて見える
養老孟子さんのお話し、
一日一日がとても大切で、当たり前にあるもの、いてくれる人々が当たり前ではないということを実感されているようです。
そういえば、私も以前、エンディングノートを書き始めたときにそのような感覚を覚えたように思います。限りを実感するからこそ今が大切だとわかる…。
とはいえ、その後エンディングノートも途中になっていて、すっかりその大切な感覚が薄れてしまっています。
そういえば、最近ハマっているお歌があります。
朝ドラ「あんぱん」の挿入歌のRADWINPSさんの歌詞です。
…いつか来たる命の終わりへと向かう明日さえ輝いてさえみえるこの魔訶不思議で…
みんな命の終わりに向かっているのだけど、明日は希望があるように思ってしまう。
そのあとには
…その愛しき鍵を君が握ってて……
…君に託した神様とやらの采配 万歳…
と続くのですけれど、
まぁ、なんと深い!
このお歌、とても早口でリズムも難しいですけれど
毎朝頑張って一緒に歌っています(笑)
いずれにしても、そのときその時を大切にして
感謝して生きていきたいです。
とりとめもない話になってしまいました。
今回も最後までお読みいただきましてありがとうございました✨
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