日常コラム
けせん団子とニッケイ、漢方の生薬「桂皮」のお話
先日の鹿児島旅行でのこと。
大隅半島のある道の駅にて
「けせん団子」
なるものを見つけました。

よもぎ餅のようにも見えるけれど
葉っぱに挟まれていました。
思いきって買ってみると……
なんともよい香り💕
中身はよもぎ餅なのですが
挟むことに使われていた葉はニッケイのようです。
ニッケイを鹿児島では「けせん」というのだそうです。

車の中がずーっと良い香り、宿に帰っても葉っぱから良い香りがしていました。
ニッケイ
ニッケイは、ニッキとも呼ばれます。根の皮は独特の香りがあり、八つ橋などのお菓子の風味づけにも利用されてきました。

↑ニッケイ
「ニッケイ」は、樹皮だと香りが薄いため、「根」の皮が使用されるとのことです。
漢方の原料<桂皮>
漢方薬のもととなるものに、「桂皮(けいひ)」という生薬があります。

桂皮の基原植物は、Cinnamomum cassia(シンナモムム・カッシア)で、和名だとケイ、シナニッケイ、トンキンニッケイです。
ケイはクスノキ科の植物。
↑ケイ
クスノキ科の植物の特徴、3本の葉脈がしっかり見えています。
ケイの「樹皮」が、生薬の桂皮になります。
患者さまに桂皮が入った処方を煎じ薬でお渡しすると、「ニッキが入っていますか?」と言われることがあります。
桂皮は、ニッキ(ニッケイ)とは植物の種類も、主に利用する部位も異なります。とはいえ、どちらもクスノキ科ニッケイ属の植物で、香りにも共通点があります。
大学の薬用植物園に行くと、「ニッケイ」は外に植えられていますが、「ケイ」は温室で育てられていることがほとんどです。
生薬の「桂皮」はベトナムなど、暖かい国からの輸入品となります。
因みに、桂皮は、体表を温め、衝逆(気が上がる)を調える働きをもつ生薬です。冷たい風にあたると体調を崩す、風邪をひきやすい、気が上りやすいような方に使う処方に配合されています。
さて、今回のけせん団子。
葉っぱに3本の葉脈もしっかり見えて、クスノキ科っぽさ出てますね~。

ニッケイの葉っぱですから、穏やかな香りがちょうど良いのかもしれません。
ほんと、豊かだな~いいなぁ~と思いました。
昔から身近にある植物を生活に取り入れる知恵も、
それを面々と受け継いでいる、そういう土壌というか、環境の鹿児島。
桜島の風景と、錦江湾の魚類、その空気感も合わせて素敵なところでした。
とても好きになってしまいました。
おしまい。
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【この記事の著者】若草漢方薬局 店主 吉田淳子